偏差値181億に真剣に立ち向かう話(2)―統計学的アプローチの再検証―
どーも、THでございます。
今回はこちらの続きとなります。いよいよ計算分野の話になります。
計算方法の確認
まずは元記事で検証に使われていた下記計算方法について見ていくことにする。
確率=1-CDF[NormalDistribution[50,10],]
ここで、
- CDF[dist,]は分布distにおいて、観測値が以下の値を取る確率を返す。
- NormalDistribution[,]は平均、標準偏差の正規分布を表す。
- 「偏差値」は平均が50、標準偏差が10である正規分布に規格化したものである。
- 全事象の確率の総和は1である。
よって、上記の式の意味するところは、
「平均50、標準偏差10の正規分布において、偏差値が以上である」確率
となる。正規分布や標準偏差等々の細かい説明は各々調べていただくとして、この評価式がどれくらいの偏差値に有効か試してみる。
Level1:偏差値=81
難なく結果が表示された。すなわち、偏差値81は上位9.6760×10-2 %ということになる。
Level2:偏差値=11,081
小数点以下の表示がなくなってしまった。Result欄の「More digits」を押してさらに計算させてみよう。
指数が100に到達し……↓
これ以降は指数は倍々になって……↓
↓
↓
↓
……ついに「More digits」が出なくなってしまった。よってこの評価式はLevel2をクリアできなかったことになる。すなわち女神の豊満なボディにWolfram Alphaが屈したことになる。
では、一体いくらまでなら評価できるのか。
偏差値=10,000
結果:計算不可
偏差値=5,000
結果:計算不可
偏差値=2,000
結果:計算不可
偏差値=1,000
結果:計算可能
指数に余裕があるので、少し増やしてみる。
偏差値=1,250
結果:計算可能
以上から、統計学関数では偏差値1,250ぐらいまでしか計算できないことがわかった。Level2に歯が立たなかったのも当然である(違う)。
現状のまとめ
下表に、現時点での計算結果をまとめておく。残念ながら1つしか埋まっていない。
偏差値 | 上位◯% | |
統計学的アプローチ | ||
Level1 | 81 | 9.6760×10-2 |
Level2 | 11,081 | 計算不可 |
Level3 | 111,081 | ― |
Level4 | 18,111,081 | ― |
Level5 | 18,118,111,081 | ― |
今回はここまでにしておこうと思う。次回は「数学的アプローチ」にて検証を再開する予定である。