最大777連ガチャの期待値に関する補足

どーも、THでございます。

今記事では、下記記事の補足説明や公開後に判明した事項について書いていこうと思います。

th53439830.hatenablog.com

回数ごとの確率表

3/7(土)に実際に最大777連ガチャが開始され、継続チャレンジに成功する確率はp=0.7と確定しましたので、ガチャ回数ごとの確率表を以下に書いておきます。

ガチャ回数 確率[%] ガチャ回数 確率[%]
117 0.00059 457 1.80204
127 0.00413 467 1.58580
137 0.01591 477 1.38757
147 0.04456 487 1.20756
157 0.10137 497 1.04550
167 0.19869 507 0.90073
177 0.34770 517 0.77238
187 0.55632 527 0.65935
197 0.82753 537 0.56045
207 1.15854 547 0.47442
217 1.54085 557 0.40003
227 1.96109 567 0.33602
237 2.40233 577 0.28124
247 2.84584 587 0.23456
257 3.27271 597 0.19498
267 3.66544 607 0.16155
277 4.00908 617 0.13344
287 4.29207 627 0.10990
297 4.50667 637 0.09024
307 4.64899 647 0.07390
317 4.71872 657 0.06035
327 4.71872 667 0.04916
337 4.64538 677 0.03994
347 4.53296 687 0.03237
357 4.36297 697 0.02618
367 4.15355 707 0.02112
377 3.91392 717 0.01700
387 3.65299 727 0.01366
397 3.37902 737 0.01095
407 3.09938 747 0.00876
417 2.82043 757 0.00699
427 2.54749 767 0.00557
437 2.28478 777 0.02105
447 2.03553

場合分けの妥当性について

元記事では、

  • 成功回数65回以下で失敗回数が10回に達して終了する場合
  • 失敗回数9回以下で成功回数が66回に達して終了する場合

の2つに場合分けをして計算を行った。この場合分けが正しいかどうかを下記期待値の式

\begin{align}
E=\sum_{k=0}^{65} {\left\{k\cdot_{k+9} \textrm{C}_{k}p^k(1-p)^{10} \right\}}+66\sum_{k=0}^{9}{\left\{_{k+65} \textrm{C}_{k}(1-p)^{k}p^{66} \right\}}
\end{align}

から確率変数にあたる部分を除いた以下の式

\begin{align}
\sum_{k=0}^{65} {\left\{_{k+9} \textrm{C}_{k}p^k(1-p)^{10} \right\}}+\sum_{k=0}^{9}{\left\{_{k+65} \textrm{C}_{k}(1-p)^{k}p^{66} \right\}}
\end{align}

の値を調べることで確認する。値が1であれば漏れや重複がないことの簡易的なエビデンスとなる。

例のごとくWolfram Alphaで計算すると……

f:id:TH53439830:20200308184913p:plain

値が1なのでこの方針に問題はなさそうである。

実は当初方針を間違えていた

当初の予定では、1日に初回含めて10連ガチャを引く回数の期待値をEとおいて、

\begin{align}
E&=1\cdot (1-p)+2\cdot p(1-p)+3\cdot p^2(1-p)+\cdots\\
&=\sum_{k=1}^{\infty}\left\{kp^{k -1}(1-p)\right\}
\end{align}

を計算し、期待値の線形性から10日×10連分で100倍して最後に保証されている10連1回と単発の7連を足す方針だった。

計算を進めると、

\begin{align}
S_n=1+2p+3p^2+\cdots+(n-1)p^{n-2}+np^{n-1}
\end{align}

とした時、

\begin{align}
pS_n=p+2p^2+3p^3+\cdots+(n-1)p^{n-1}+np^n
\end{align}

から、

\begin{align}
(1-p)S_n&=1+p+p^2+\cdots+p^{n-1}-np^n\\
&=\sum_{k=1}^{n}p^{k -1}-np^n\\
&=\frac{1-p^n}{1-p}-np^n
\end{align}

よって、

\begin{align}
E&=\lim_{n\to\infty}(1-p)S_n\\
&=\lim_{n\to\infty}\left(\frac{1-p^n}{1-p}-np^n \right)=\frac{1}{1-p}
\end{align}

以上から、期待値は

\begin{align}
100E+17=\frac{100}{1-p}+17
\end{align}

となる。以下に、0.1刻みのpの値ごとの結果を示す。なお、実際のガチャ回数は100E+17なので注意。

p 100E+17
0.1 128.1111
0.2 142.0000
0.3 159.8571
0.4 183.6667
0.5 217.0000
0.6 267.0000
0.7 350.3333
0.8 517.0000
0.9 1017.000

で、これの何が問題なのかというと、「p=0.9のときに期待値が最大回数の777を超えてしまっていること」である。

ついでに言うと、p=0.7以上で元記事と結果が異なっている部分があり、さらには、ここには書いていない小数第5位以下においても相違が発生しているのである。

何故こうなってしまったのか。それは最初の段階で

\begin{align}
E&=1\cdot (1-p)+2\cdot p(1-p)+3\cdot p^2(1-p)+\cdots\\
&=\sum_{k=1}^{\infty}\left\{kp^{k -1}(1-p) \right\}
\end{align}

と、無限級数を用いて計算したことがそもそもの原因である。というのも、このガチャ、無限に試行できるわけではなく、継続チャレンジの成功回数と失敗回数ともに上限があるのだ。その時点で、無限級数を使うべきではなかったのである。

私自身はp=0.9を代入する前に偶然気づいたが、Twitterを見ていると期待値333.3連という記述をちらほら見かける。どうか気づいていただきたい。無理か。

 

以上、補足説明でした。また何かあればここに追記しようと思います。

3/20追記

期待値の展開式について

元記事において、pの66次以下の項をまとめていたが、それはaを定数として

\begin{align}
\sum_{k=a}^{a+10}{_{k+9}\textrm{C}_k\cdot k\cdot _{10}\negthinspace\textrm{C}_{k-a}\cdot (-1)^{k-a}}=10
\end{align}

が成立するかららしい。逐次計算する以外に証明方法が思いつかないが……

アンケート実施中

現在、Googleフォームにて今回のガチャに関するアンケートを実施しています。よろしければご協力お願いいたします。

※4/16 20:20をもって回答の受付を終了いたしました。

docs.google.com

3/20追記分は以上となります。